Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

極上ランダーブルー2点

      2016/06/12

ランダーブルー ターコイズ LanderBlue Turquoise 2+1ランダーブルー ターコイズ LanderBlue Turquoise 2+1

今日3回目のブログ更新になります。

上の2枚の写真、一枚目はセミドロップカット、17.57カラット。さらに2枚目はセミオーバルカットの21.10カラット。

フォルムは共にやや無骨な仕上げです。

敢えて無骨さを意図した理由を書こうと思います。


まずこの2点が私の手元に届いた時、それぞれ18.25カラット、21.25カラットでした。

これまでも何点かのランダーブルーを手にしてきましたが、残念なことに仕上げが良くない。したがって欠点を除く必要性がある。

しかし今回の2点は以前に比べてかなり確かな技術によってカット、研磨されていました。

それぞれの原石が持っていた特性と言うべきか個性と言うべきか、あるいはまた秘められた可能性といったことに細心の注意を払い、慎重にカットされたことが、確かに伝わってくる。そんな仕事でした。

 

それでもなお、仕上げの細かさ、メッシュが荒いため拡大鏡で観察すると極めて微細な磨き痕が全面を覆っています。

これは仕方のないことです。なぜならアメリカではターコイズの仕上げメッシュは14000が普通だからです。さらに細かいメッシュで仕上げようとはしません。国民性?はたまた伝統、いや慣習と言った方が良いかもしれません。

 

ちょっと話がブレますが、ドミニカンブルーアンバーの世界も似たような状況です。

ドミニカではさらに荒い5000メッシュでフィニッシュします。これは私の感覚では考えられないことですが、彼らには常に制作経費と時間の問題が立ちはだかっています。つまり請負の下請け作業だからです。

 

ターコイズやブルーアンバー、いや世界各地でカットされている石は、零細な(私も同様です)家内仕事、一点でも多く、早くといった効率が優先される世界です。

しかし私の場合、制作経費だの制作時間といった観念は全くありません。自分の信念を信じて、潤沢な経費と時間を注ぎ、納得いくまで磨きます。下衆な表現ですが数千円の品も数十万円、数百万円の品も作業工程は全く同じです。それが私の生き方だと念じています。

とは言っても、これだけのサイズのランダーブルーというのは、世界的にもやはり貴重な存在。

 

価格も2点で200万円を優に超えます。自分の形、自分の曲面を優先するより、再仕上げ工程でのロスを極限まで押さえることが大切だと考えました。

表面の微細な擦り傷を払拭する。目的をただその一点だけに絞り込んでの再研磨に終始しました。

完成して静かに眺めた時、無骨さ故の堂々とした力強さが漲っている、そのように感じ、フィニッシュしました。

ランダーブルー ターコイズ LanderBlue Turquoise 2+1ランダーブルー ターコイズ LanderBlue Turquoise 2+1

結果は18.25カラットが17.57カラットに、21.25カラットの方は21.10カラット、わずかこれだけの研磨で、石のグレードは確実に向上、トップグレードのランダーブルーとしてお納めすることができました。

お客様からは、

「ランダー 仰る通り堂々とした美しさに圧倒されます。もう二度と手に入らないでしょう。」

とのメッセージを頂くことができました。

嬉しい限りです。

お蔭さまで私自身の目を養うことができました。

 

本物だけが持つ圧倒する力に触れる機会をいただき、ありがとうございました。

外はポツリ、ポツリと雨が降り始めました。明日の撮影(リリース)は無理だと思います。

 - ランダーブルー