Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

Aquilax#49 ラピス、ラバのブレスレット(更新)

      2016/12/05

Lapis lazuli, Lava- bracelet.

季節の変わり目

夏以降、大きな台風が次々と来襲、先週でしたか、北海道では初霜が観察され、同じ日の関東では日中30度以上の真夏日。日本列島は不規則な気候に翻弄されました。

 

私はといえば、夏の疲れをひきづっているせいなのか、なんとなく怠い、と思っていたら、風邪。

風邪に追い討ちをかけたのが貝毒。帆立貝のウロ(黒い部分)に含まれた毒素による急性中毒。食後1時間ほど経った頃、右手の甲から肘にかけて赤く腫れあがった蕁麻疹。これがとにかく痒い。

 

翌日、腫れと痒みはほぼ収まりましたが、頭がボヤーッとして(よくあることですが)、全身に倦怠感。食欲もなく、ただただ安静にしてました。気のせいかもしれませんが、目の焦点もうまく機能しなかったようです。(これは年齢のせいか?)

幸い、大事には至らず、今はこうしてブログを書いてます。

天候不順 - 風邪 - 体力の低下

負のスパイラルに引きずり込まれないよう、皆さんもご自愛ください。

 

そのようなわけで、ブレスのリリースがすっかり遅れてしまいました。大変申し訳ございませんでした。

構成と各パーツについて

それでは今日のリリース「Aquilax#49 ラピス、ラヴァのブレスレット」について書きます。

このブレスはアフガニスタンのラピスラズリ(もちろん処理なしの天然です)とハワイの溶岩から作られた溶岩石ビーズ(ラバ)の質感対比がメインテーマです。

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そこに金茶色の淡水パール。この淡水パール、信長の千成瓢箪に似て形が面白く、末広がりの縁起を担ぐなんてことも考えて採用しました。

私のところにストックしてあるパール類はすべてかなり以前、少なくとも15年以上前に買い付けたものばかり。記録が曖昧ですがこの淡水の場合、たしか染めではなく天然のビンテージ物だったと記憶してます。 これもまた丹念に磨くと茶道の茶筒のような侘び寂びの趣。季節に添った自然で上品な色に磨き上がりました。

 

ブレスのセンターに配置した二枚貝のシルバービーズはカレンシルバーの厚みをやや薄く叩き、手首へのフィット感を良くしてあります。

左右のラピス、淡水パール、ラバと違和感がないよう、凹部を黒燻し。エンド部分のスペーサービーズも同様です。

リリースモデルではシルバーパーツを光沢仕上で撮影しましたが、ご希望の方へはすべてのシルバーパーツの燻し加工(無料)もいたします。

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オプションのアジャスターについて

オプションのアジャスターについてちょっと触れておきます。

長さの調節はアジャスターで対応 -無料加工、といった記載について、お客様から

「どのような感じのアジャスターですか?」

とのご質問をいただいておりました。

ちょうど、前回リリースの「Aquilax#48 – 黒珊瑚と秋色淡水パールのブレスレット」にアジャスターの追加加工をしましたので、具体的な加工例としてご参考としてください。

 

この加工は995シルバー(ほぼ純銀)叩き締めのジャンプリングを3個作成、先端部分にアフガニスタンのアンティークブラス・チャーム。

装着サイズ18cm、余裕を持って18.5cm、19cmでも着用できるように調整しました。

アジャスターなし

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アジャスター取り付け後

tw161006 ブログ内引用:「Aquilax#48 – 黒珊瑚と秋色淡水パールのブレスレット」より

 

世界でもっとも高価な顔料

ラピスラズリは宝石としてよりむしろ顔料として大切にされてきた鉱物です。

最初、世界でもっとも良質で美しいラピスを産出するアフガニスタン(=現在も不動の地位)の寺院内の壁画にこの鉱物を粉末状に粉砕した顔料が使われました。6世紀から7世紀ころのことです。

その後、中国、インドなどでも用いられ、ヨーロッパへは16世紀頃、金以上に高価な顔料として伝わり、ラピスラズリから精製された顔料=色はウルトラマリン(海を越えてきた青)と呼ばれ、今日に至っています。

 

実際のところ、例えば絵の具の世界では世界的に流通しているウルトラマリンはその99%以上が化学顔料。天然のウルトラマリンは極めて少なく高価です。

一例として日本でも最高グレード(ラピスラズリ原石グレードAAA)の絵の具用顔料が俵屋工房さん=外部リンクで作られ販売されていますが、とても高価です。

 

ラピスラズリを原料としたこのウルトラマリンとは一体何なのか?

興味あるエピソードがGigazinにまとめられていました。

「世界で最も高価な色、金より貴重な顔料「ウルトラマリン」の歴史」

「海を越えた」という意味の「ウルトラマリン」は金よりも高価な色として芸術家に重宝されたり、芸術家の家族を貧乏のどん底に追いやったりしてきました。

 

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画家ミケランジェロの初期の作品「キリストの埋葬」(写真上 - ロンドン・ナショナル・ギャラリー)は未完のままこの世に残っていますが、キリストの埋葬が未完なのは、絵を描く上で使うウルトラマリンの顔料をミケランジェロが手に入れられなかったからだと言われています。

一方で、ラファエロはウルトラマリンの顔料を絵の仕上げに使い、フェルメールはふんだんにウルトラマリンの顔料を使ったが故に家族を借金の泥沼に陥れていました。

 

「天然のウルトラマリンを手に入れられるならば自分の耳を切ってもいい」と言う画家は多くいます。

 

など、なかなか面白い内容です。

出典元:Gigazin

多くの伝説を現代に伝えるラピスラズリの青ですが、絵画的にもっとも知られ、愛されているのはやはりオランダのマウリッツハイス美術館所蔵、ヨハネス・フェルメールの代表作、「真珠の耳飾りの少女」でしょう。

この絵の具のために家族を借金の泥沼に陥れたという。嗚呼!!

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画像出典元:Wikipedia

ラピスラズリ - 瑠璃

ラピスラズリは日本では瑠璃と呼ばれてきました。文字から漂う雰囲気はやはり優雅で雅です。

とは言ってもビーズ屋の店先など一般市場で目にするラピスの色は本当にこの瑠璃色といえる深い美を持っているかというと、どうも違う。

ここでもまた処理、処理、処理。染められたり、樹脂を充填されたり、うんざりするような話ばかり。

ラピスはターコイズに似て、処理がしやすく、またそうしないと加工に適さない原石が多い世界ですから仕方ないのかもしれませんが・・・。

 

やはり天然のラピスはいつの時代も希少だし、本物は深く美しい色と艶やかさを持っています。

今回採用したのはビンテージの丸玉、サイズは約8mm。いつものように一つ一つを磨き込み、通し穴を広げ、このブレスレットに使用しました。

 

自然光で静かに観察すると、「ウルトラマリン」には違いありませんが、そこには異なった「瑠璃」が溶け合い重なり合っているのがわかります。もっとも深い青は日本の「鉄紺」に非常に近く、瑠璃色、瑠璃紺、紺瑠璃など近似色によるグラデーション効果が生み出す自然の美しさです。

瑠璃色

るりいろ

Ruri-iro

瑠璃紺

るりこん

Rurikon

紺瑠璃

こんるり

Konruri

鉄紺

てつこん

Tetsukon

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このブレスレットでは上質な顔料ともなるであろう美しい石から作られたビーズを使用してあります。

ヨーロッパの多くの画家を悩ましたと伝えられるウルトラマリンの原料となったラピスラズリですが、「家族を借金の泥沼に陥れ」ることなどありませんのでご安心ください。

使用パーツ

  1. アフガニスタン産ビンテージ ラピスラズリ
  2. ハワイ産ラバ
  3. 淡水パール 瓢箪型 8mm オールドストック
  4. カレンシルバーパーツ

  5. 国産925シルバー フッククラスプ
  6. 1.2mm ストラップ用コード

サイズ

  • 全長18cm(装着時16.5 - 17cm)最大幅17.4mm 最大厚み8.70mm(ラヴァビーズの直径)
  • サイズの変更は995シルバー(ほぼ純銀)のアジャスターで対応
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    Aquilax#49 ラピス、ラヴァのブレスレット Worksページへ - 完売しました。

     

     

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