Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

Aquilax#50 黒珊瑚、スギライトのブレスレットVer.2

      2016/12/05

Aquilax#50 - 黒サンゴ、スギライト、純銀ビーズのブレスレット

自然との一体感

石、金属、木、革、異なった素材、その集合体としてのブレスレットですが、狙いは自然の中に置いた時、違和感なく溶け込む、自然との一体感。最近はそんなイメージで制作してます。

 

これらの素材はすべて自然が産み出したもの。やがて自然へと還っていくものたち。人間もまた然りですが、すべては自然界の粛々としたリズムです。

そんなことを思い、一つ一つの素材との出会いは抗うことのできない摂理、一期一会ではないかと考えるようにもなりました。抹香臭い印象を抱かれるかもしれませんが、心底そのように感じ、思えてならないのです。

 

確かに私は石を磨いています。自己紹介する時、「私は石を磨きます」そんな言葉が一番適切なんだろうと思います。

 

ではなぜ石を磨いているのか、と問われると答えに窮しそうですが、「その素材が好きだから」最近はそう答えるのが適切だと思えるようになりました。この作業、きっと生きている限り続くんだろうな、そう思います。

 

与えられた時の流れ、その流れに沿って淡々と磨き進めていく。自分自身がそして作り出すものが自然であること。気負うことも衒うこともなく自然と一体化すること。

 

より極めていければ良い、そう願うばかりです。

 

銀はキャンバス

tw161015-005

先月、このブレスレットとほぼ同じ素材で「Aquilax#45 黒珊瑚、スギライトのブレスレット」を作りました。

その時のテーマは「オリジナルパーツ」ということでした。

きょうリリースするAquilax#50、テーマは銀です。

 

メインに据えた叩き締め、燻した純銀ビーズ。

廃墟のコンクリート壁、遺跡の磨り減った石畳、打ち捨てられた工場の錆びた金属、昭和の横浜赤レンガ倉庫の錆び付いた鉄扉、信楽の灰釉、備前の焼き締めた肌・・・。

長い年月の中で忘れかけていた何かの痕跡・・・。

打刻の痕は彼方におき忘れてきた記憶の痕跡かもしれません。そんな時間の流れのようなものを金属で表現してみたくて、このような手法を選んでいます。

 

銀の板で形作られたものを、丹念に叩き締めていくと、表面に叩いた痕跡が少しづつ刻まれ、凹み、あるいは盛り上がり、さらに叩き馴らし、傷を刻み、その傷に燻し液を滴らせ、拭き取り、磨き込み、再び叩き締めるといった作業を日がな一日、無心に飽きることなく繰り返す。

 

tw161015-006

抱いているイメージに近づくまで、ある時は焼いたり、またある時は磨いたり。そしてまた叩き、燻し、磨き。 彫金というより、むしろ石の研磨に似た時間の流れ。いや、レリーフに似た感覚かもしれない。

計画しているのはこの叩き締めに溶かした銀を滴らせ、ロウ付けして立体感を加えること。鋳造ということも考え始めました。そこでもまた叩き、削り、磨くんだろうなと思います。私にとって銀はキャンバスみたいなものです。

寡黙な素材、黒珊瑚

tw161015-002

今回もかなり太めの黒珊瑚の枝をビーズとして使用してます。

写真でご覧いただくと、このブレスレット、かなり重いのではと思われるかもしれません。重さは50グラムほど、ボリュームの割には軽く出来てます。

 

黒珊瑚というのは見た目より軽い。軽いのは良いのですが、この芯は滅法硬い。

ビーズにするために穴をあけるわけですが、石の穴あけと同じダイヤモンドビットという刃を使います。 とにかく電気ドリルが唸るほど硬い。

 

摩擦熱から珊瑚を守る為に穴あけ作業は水の中で行いますが、回転する刃と珊瑚との微かなな隙間から吹き出す熱水の温度はかなりのものです。ひとつのパーツが貫通するまで約30分ほど。これはターコイズの倍以上の時間です。

しかし石のように、穴あけ作業中に割れる、といったことはこれまで一度もありませんでした。強靭な素材です。

 

黒珊瑚には煌びやかな輝きはなく派手さとも無縁な寡黙な素材です。その寡黙さが好きですが、この素材も入手が難しくなってきました。特にこのような太い枝がなかなか見つかりません。使い続けていきたい素材ですが・・・。

 

心安まる紫、スギライト

tw161015-004

「スギライト」、すっかり英語読みが定着した石ですが本来ならば「杉石=すぎせき」と呼ぶべきかもしれません。

 

ご存知の方も多いことと思いますが日本の鉱物学者 杉健一氏と愛弟子である村上允英氏によって世界に知らされた石です。

この石は1942年、愛媛県岩城島で発見され1975年に新鉱物認定の申請がなされ、77年に新鉱物として認定された歴史の浅い鉱物。

 

海外では1980年、南アフリカ連邦共和国で発見され、アメリカのGIAなど研究機関からスギライトとして認定され、あっという間に世界的に認知され人気が高まった石です。

 

スギライトの紫、彩度の低い黒っぽいものから「GEL SUGILITE」と言われる半透明でピンクがかった明るい紫、さらにはブルーのリクトライトが溶け込んだ希少種まで様々ですが、今回使用したのは日本人に馴染みの深い「紫」、それも古代紫に近似した上品な紫です。

この紫色、見ていて本当に心が安まるから不思議です。世界三大ヒーリングストーンと言われてみれば、なるほどと頷ける美しさだと感じてます。

 

tw161015 tw161015-007 tw161015-003

使用パーツ

  1. 叩き締めハンマー打刻模様の純銀ビーズ、燻し仕上げ(×5)
  2. ハワイマウイ島産 天然黒珊瑚(2002年オールドストック)(×3)
  3. 南アフリカ ウェッセル鉱山産 天然スギライト(×3)
  4. カナダ産 天然ラブラドライト(×1)
  5. 西印度諸島産 リグナムバイタ(Lignum vitae=生命の木)(×1)

  6. 
アフガニスタン アンティークブラス
  7. 鋳造真鍮フッククラスプ
  8. チョコ&ブラウンのバイカラー3mm 牛シュリンクレザー

天然黒サンゴはワシントン条約により採取規制が敷かれる以前に日本の珊瑚業者が輸入したものを使用してます。

 

使用したスギライトの関係で、前回の「Aquilax#45 黒珊瑚、スギライトのブレスレット」より少し高い価格設定になりました。ご理解ください。

サイズ

  • 全長20.50cm(装着時17.5cm – 18.5cm)最大幅16mm、最大厚16mm

    サイズ調整

  • サイズ調整は無料(すべてのパーツを外し、適合サイズに組み直します)。
  •  

    Aquilax#50 黒珊瑚、スギライトのブレスレット カタログページへ - Sold out.

     

     

     - Aquilax