Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
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Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

エジプト・ターコイズ 10.50ct.ソリッド

      2016/12/15

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ソリッドのエジプト ターコイズ

エジプト ターコイズ、じつはエジプトで産出されるものではない。

このことについては11月22日「エジプト・ターコイズ 21.90ct.」で詳しく述べました。

正しくはシナイ半島で産出される「シナイ ターコイズ」と言うべきでしょう。

 

しかし流通名、言い換えればフォルスネームということになりますが、世界的に「エジプト ターコイズと言い習わされていますので、Twilightでもその流通名を優先することにします。仮に「「シナイ ターコイズ」という語句を含んだタイトルにし、さらにキーワードやタグ指定しても、検索結果は極めて限られるだろうし、そのように検索する人はむしろ稀だと思われるからです。

 

欧米、特にヨーロッパで出版されたターコイズに関する書籍、あるいはターコイズを項目として含んだ書籍には、例外なく「シナイ半島のターコイズ」といった記載が見られますが、それ以外の国の出版物ではアメリカ、ペルシャが圧倒的で、シナイについてはほとんど触れられることなく、一般的にも知る機会に恵まれません。しかし嬉しいことにWikipediaの「トルコ石」の項目では紀元前3000年頃、エジプト人によってシナイ半島で採掘されていたといった内容が明確に記載されていました。 以下、該当する部分を引用します。

 

『トルコ石』

シナイ半島

少なくとも第1王朝(紀元前3000年頃)または恐らくそれ以前から、エジプトではトルコ石がシナイ半島でエジプト人によって採掘され、用いられていた。現地のMonitu人はシナイ半島を「トルコ石の国」と呼んでいた。この地域にはおよそ650平方キロメートルに渡る6か所の鉱山があり、それらすべては半島の南海岸にある。これらの中で歴史上もっとも重要なのは、セラビト・エル・カジムと、ワジ・マガレであり、知られた鉱山の中で最古のものだと言われている。前者はハトホルのための古代の神殿から4キロメートルの場所にある。

 

このトルコ石は、玄武岩に覆われているか、またはもともと覆われていた砂岩の中で見つかる。銅と鉄の採掘が現在でもこの地域で行われている。大規模なトルコ石の採掘は今日では採算が合わないが、鉱脈はベドウィンが自家製の火薬を使って散発的に採石している。雨が多い冬の季節には、採掘者は鉄砲水の危険に曝される。乾季ですら、無計画に採掘された砂岩の壁が崩壊して死ぬこともあるらしい。 シナイ半島のトルコ石の色合いは、一般的にイランのものよりも緑がかっているが、安定でかなり耐久性があると考えられている。しばしばエジプトのトルコ石と呼ばれているが、シナイ半島のものは一般に最も透明で、拡大鏡で観察すると表面構造には他の産地のものには見られない暗青色の円盤が散りばめられているのが見える。

 

イスラエルのエイラトの近くでは、トルコ石、クジャク石、珪クジャク石の魅力的な合生が見つかっている。この岩はエイラト石と呼ばれ、しばしばイスラエルの国の石とも言われる。エイラト石は現地の職人によって加工され、観光客に売られている。

出典:Wikipedia「トルコ石」

 

述べられているように、最古のトルコ石鉱山として知られているのはシナイ半島の「セラビト・エル・カジム」「ワジ・マガレ」の2鉱山ということになるようです。

 

今日は前置きはそこそこにします。あれこれと述べるより、リリースの10.50カラットに焦点を絞ります。

バッキング? 不要です!

エジプト・ターコイズ

まずこの石の素性。

見出しの通りです。バッキングは一切不要。これがこの石の素性そのもの。

石の質は極めて上質、堅牢。

シナイ産ターコイズもまた、樹脂加工、バッキングが常套化しつつあります。

樹脂加工したものはいくら磨いても磨いても、また磨いても、樹脂以上の艶やかさ、透明感は得られません。当然至極な話です。しかも樹脂に対する光の屈折率の関係から、やはりどことなく白っぽい。

ついでながら、ヨーロッパではバッキングという概念が存在しません。宝石として捉えられる以上、それはどこまでも宝石としての外観を備えている必要がある。バッキング石は化粧石として扱われる。畢竟、トルコ石もソリッドであってこそGEMとして迎えられるわけです。

その要求を満たせるトルコ石というのは極めて少ない。たとえ青が美しかろうが、ネット模様が緻密であろうが、透明感があろうが、それらは表面上の話で、宝石としての「塊」とは価値観が異なる。考えるまでもなく、これも当然至極ということになるでしょう。

しかし現実は理想通りには話が運びません。実際、市場に流通しているトルコ石の大部はバッキング、さらに樹脂加工が圧倒的です。かくいう私のサイトでもバッキング石は数多くあります。

 

改めるまでもなく、この石の場合、バッキングは不要。石の美しさと共に、宝石としてのトルコ石です。

次の写真はこの石の背面です。

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光を通すトルコ石

Wikiでも触れられていることですが、シナイ半島で産出されるトルコ石は、一般に最も透明なトルコ石として知られています。

この10.50カラットも例外ではありません。光にかざすと、希少な半透明ターコイズの美しさを楽しむことができます。

光を通す=半透明という特性、クォリティを犠牲にしたくない、ということからも、これはバッキングをしてはならないトルコ石なのです。

半透明の姿はあえて撮影しませんでした。この石を所有なさる方の特権として。

 

純粋で深い青

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前回リリースした21.90カラットの青はインディゴ、あるいはインクブルーを溶かし込んだような濃い青でした。

今日の10.50カラット、これはそれよりも明度、彩度共に高い青、光によってはネオン・ブルーにも近い青です。

そう、鮮明で透明度の高い青、シナイ半島の砂漠に覆いかぶさる天空の青、といって良いかと思います。哀しいまでに抜群に美しい、感動的ですらある青です。

 

その青を引き立てているのがレンガ色のウェブ。

滅多に出ることのない極上のトルコ石です。

余談ですが、このスーパーミラーポリッシュ。通常の研磨時間をはるかに上回る手間と時間との産物です。

Sinai Turquoise

 

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