Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

ローンマウンテン ナチュラル ターコイズ 1.05ct. & 1.50ct.

      2016/12/23

lone mountain turquoise natural mirror polished

意外と難しいデジイチ

この青、デジカメで再現することの難しい青です。

撮影はCanon Eos G5 Mk.2に重くデカイ180mmマクロレンズという重装備、マニュアル設定での撮影が基本です。

長い年月使いまわしてきたデジイチ(=デジタル一眼レフ)、今となってはすでにクラシックモデルですが、使い慣れてくると新しい機材になかなか変更する気になれず、ここ数年はこのボディとレンズの組み合わせで仕事しています。

基本はピクチャースタイルというメニューにあるニュートラルあるいは忠実設定。それでもホワイトバランスや露出補正など、詳細なユーザー設定値が時には正確さを狂わせてしまうようです。最近、どうもホワイトバランスが上手くいかない。今回も一回目の撮影はすべて没。すっかり落葉した初冬の樹木など景色を撮ってみてもやはりおかしい。赤っぽかったり青っぽかったり、余計な色かぶりがどうしても払拭できない。

 

そこでユーザー設定をすべてリセット。工場出荷時の状態で撮影してみました。

時間帯は昼の12時前後。直射日光が差し込むのを避け、5000ケルビンの安定した撮影ランプにカーテン越しに差し込む周辺光といった環境です。

なんのことはない、素人の設定値が諸悪の根源だったようで、すんなり現物の微妙な青が再現されました。これまで何度も何度も撮影をし直してきたのがまるでウソのようです。嗚呼、もっと早く気づいていれば良かった。

てなわけで、今日の色はどこまでも現物に即した正確な青になりました。

 

まあ、素人の撮影談義はそこそこにして、このローンマウンテンについて話を進めます。

素材は以前、『ローンマウンテン ナチュラル・ターコイズ 8.20カラット ソリッド!』について詳しくお伝えしました。今日の2点はこのナゲットの中から幾つかを選び出し、カット研磨したものです。ちなみにこの深い青が出るのは、幾つものなかでも特に目立つ濃い目の茶色の原石に限られます。

ローンマウンテンの「青」

「日本人にはターコイズ好きが多い。」

この仕事を始めた頃、御徒町で長年宝石を扱ってきた老舗の専務さんの言葉です。

 

人間は青い色に心の安らぎを求めるのかもしれない。

特に日本人は青の繊細で微妙なバリエーションに対して複雑な感情移入ができる。これは四季の移り変わりが豊かなこの国の自然に根ざした感性だと思います。

 

もっとも日本人の「青好き」は石に限ったことではないようです。

80年代後半、バブル最盛期の頃、大手企業は盛んにCI(コーポレート・アイデンティティ)の変更によるイメージチェンジを行いました。社名をひらがなからカタカナに変えたり、ロゴデザインを新たにしたり・・・。そこで企業の本質が変わったかどうかは別ですが。

あの時代、コーポレット・カラーやロゴデザインに「青」を提案するというのが非常に流行った。プランナーやデザイナー、コンセプター達は「青」で攻めればたいがいはうまくいった。青に対する日本人の高感度が高い、というのが定説だったからです。

 

またまた脱線してしまいましたが、私もまた「青」を強く嗜好する人間です。空の青、海の青、大気の青。見回せば私の机の周りもまた、ブルーアンバー、ラピスラズリ、オパール、ターコイズなどなど、青に石に囲まれている。青い色を目にしない日というのは、まずあり得ない。

様々な青の中に暮らしながら、このローンマウンテンの青が原石から顔を覗かせた瞬間、それは言葉で簡単に言い表せない一種の感動、旋律が全身を駆け巡りました。

 

感動を伴った青。ローンマウンテンでなくては得られない青。

この艶やかな透明感もまた秀でています。実際は小指の先程の小さな青い塊ですが、圧倒的な存在感でこちらに語りかけてくる。

7カラットが1.数カラット

ナゲット状の原石は共に7カラット以上ありました。本来ならば厚み0.数ミリといった極薄の刃でセンターから複数にスライスカット、バッキングしてフラットなカボッションにするのでしょうが、どうしても塊として原石内部の「青」を取り出したい。

そんなロスの多い前時代的手法で、石との取り組み方をするカッターは現代ではほとんどいないことと思います。

バッキングなしの正味のカラット数

上質なローンマウンテン、石の硬度は折り紙つきですからバッキングは不要です。

ランダーブルーに次いで高価とも言われているローンマウンテン。ましてソリッドとしてのローンマウンテンというのは、ほとんど存在しないのではないでしょうか。

仮に今日の1.05カラットと1.50カラット、鉄粉を主成分としたデブコンという合成剤が世界的に定番化しているバッキングの素材ですが、結構重さがあり、石そのもののカラット数は1.3倍から1.5倍ほどに膨れ上がってしまいます。その増量分までがカラット単価に含まれてしまう。これはちょっと理不尽ではないかと、私は考えるわけです。ですからバッキングしなくても問題にない石の場合、やはりソリッドでリリースするようにしています。

褪色しにくい青

ターコイズの「青」は紫外線の影響を受けて褪色しやすい傾向にありますが、ローンの青は非常に強い。

これまでも「宝石」としてのターコイズを提案してきましたが、その頂点に位置する「純粋な青に恵まれたターコイズ」です。

特に背面を撮影した写真、その周縁部はかすかに光を通しています。

この半透過のターコイズを実感できるのもバッキングなしのソリッドならでは。「ターコイズは割れやすいから」(あるいは薄くスライスして点数を稼ぐ、という目的も含まれる)。この一言ですべてを括ること無く、上質なターコイズが秘めている可能性について、カッターはより慎重であるべきだと考えるわけです。

 

ペルシャのターコイズなどでは、完全にカット研磨された表面あるいは側面からは読み取ることの難しいその石の履歴、産地に関する情報を母岩の一部として背面に残すことがしばしば行われます。残された母岩のごく一部であっても、それは鉱山や時代の証明になるわけです。

 

ローンマウンテン ナチュラル ターコイズ 1.05ct.

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ローンマウンテン ナチュラル ターコイズ 1.05ct. Workページへ - 完売しました。

 

 

ローンマウンテン ナチュラル ターコイズ 1.50ct.

ローンマウンテン ターコイズ ソリッド tw161221-002 tw161221-003 tw161221-004 tw161221-005 tw161221-006 tw161221-007

ローンマウンテン ナチュラル ターコイズ 1.50ct. Workページへ - 完売しました。

 

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