Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
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Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

硬質な透明感 - 薄浅葱色のクラシック・エイト

      2017/04/29

優しい薄浅葱色にレッドウエブ

春色のターコイズ。その代表格とも言えるナンバーエイトのクラシックスタイルです。

3.85カラットの小さなピースですが、カット研磨に潤沢な時間と手間を惜しむこと無く、完成度を高めることに専心しました。 結果は当初のプランを超えた上々の仕上がり。

 

年代はエイト鉱山が発見された1929年から20〜30年後の40〜50年代のもの。

内部から輝く明るいブルー(和名:薄浅葱色に近い)、これはナチュラル・エイトの大きな魅力です。市場で目にするエイトは、その殆んどがスタビ処理されたもの。スタビ処理をしたエイトは、この繊細で透明感ある淡いブルーが失われ、グリーンがかったまるで塗料を塗ったような濃い色に変色してしまいます。

 

そもそも構造的に脆さを孕んだターコイズ、とりわけ脆さが欠点のエイトですから、その殆どが処理石に化けてしまうというのも仕方のない話です。しかしこのエイトにはスタビ処理だけでなく「バッキング」の必要性さえも拒否する堅牢さが備わっています。これってほとんど奇跡的なことです。

完成への可能性は20%程度

しかし原石の段階から、丸ごと堅牢な石だったわけではなく、小さな原石はやはり脆さに覆われていました。 原石の段階、さらに中磨きに至ってもなお、その脆さは否めませんでした。

 

エイトではそれはごく普通のこと。しかしその脆さを取り除くのが私の仕事です。ダメ元というか背水の陣で石と向き合い、「きっと核心部から堅牢な塊が得られるに違いない」、そんな博打に出るわけです。

 

予測に反して最後まで脆さに付き合わされる、そんな目算違いが約80%ほど。それらは研磨屑となって消滅、成功率は20%前後といった感じです。

そのような過程を経て生き残ったのがこの3.85カラット。上質なナチュラル・エイトは非常に少なく、価値あるターコイズの部類に入ります。

一般に「多孔質」が前面に出がちなエイトですが、この石の場合、緻密で硬度も高く、艶やかな陶磁器にも等しい仕上がり面が得られました。成功です。

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 - ナンバーエイト