Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

Gem Micronesia Sea Blue Amber 11.60cts.

      2016/05/22

ミクロネシア シーアンバー11.60cts.

 

光が透過する時、琥珀全体が茜色に染まる

 

私達の一日は日の出に始まり日没に終わる。これは理想かつ健康的な日々の暮らし方に違いない。
その始まりと終わりのほんの束の間、天空が茜色に染まることがある。
古代人はその燃えるような空に神を求めた。朝の光に今日一日の、日没の光に明日の収穫を。


古代ギリシャ哲学、ストア派の創始者ゼノンは茜色の光に人間が進歩する源泉、活力を享受する力があると信じた。
ゼノンの確信には確かに根拠があるように思える。

色彩心理学で赤は人間に活力を齎す色と定義されている。
そう言えば日本語では新生児を「赤ちゃん」「赤ん坊」「赤子」などと呼ぶが、それは新生児が多血症気味であることから皮膚の色が赤く見えるという生物学的な意味合いとともに、出生後、最初に認識できる色が赤であることから、赤いものに手を伸ばしたがる、ということも語源の一因だという。

赤は生命を象徴する色だと言えるのかもしれない。

 

 

 

今日リリースのシーアンバーの赤、というよりここでは茜色というのがより現物に即した表現だと思う。

端的に表現すれば、この琥珀の中を光が透過する時、琥珀全体が茜色に染まるのである。
これは琥珀組織そのものに赤い色が溶け込んでいるのとは異なる。一般に言われているレッドアンバーではない。
透過する自然光が琥珀内部で屈折、拡散し、この燃えるような茜色を発するのだ。
しかも適度な透明度がその屈折した光を極限までに拡散し、光のドラマを生み出している。

 

 

 

 

ミクロネシア シーアンバー(ブルーアンバー)

 

 

 

茜色からブルーを発光

 

ビデオにも記録したとおり、背景がブラックバックになると、その姿は一変してブルーを発光する。
ここでのブルーは言わずと知れた蛍光発光である。

 

 

 

 

 

 

写真でお判りのように内部には鰯雲にも似た奥深く雄大な自然が満ちている。
青い蛍光発光もこの模様も、火山活動による変成作用に起因しての美しさ。小さな琥珀の中に見出した自然界の奇跡、そんな思いに心に豊穣な光が差し込む。

 

内部の鰯雲にも似た模様は、2011年にリリースした「Lampung Sumatra Blue Amber 29.30ct.」でも見られたものだが、琥珀の透明度、模様の配列ルールが異なっている。さらに今回のような鮮烈な茜色ではなかったと記憶している。当時のブログ記事(blueamber.jp)は度重なるサーバーの移転やメンテナンスによってデータが破損してしまったが、Flickrにアップしておいた写真は健在です。ご参考にしてください。

 

どのように漂い、漂着したのか?

さてここでまた難問です。


この琥珀、原石はどのような時間をどのように漂い、漂着したのか?

 

 

 

作業工程で感じた石質は、この原石が透明度の高い極上のバーマイトに酷似しているということ。
同じ熱帯系琥珀でありながらジャワブルーやカリマンタンといったインドネシア系琥珀に見られる粘っこさといったものが全くなく、古い時代の琥珀に特徴的な研磨時に出る切削音がサクサクとした切れ味の良いものだということ。それが素となる樹木、樹液の違いによるものなのか、あるいは有機質が無機質化する化石化への過程の違いから来るものなのか・・・。化石化プロセスの学問Taphonomyなども動員しながら、さらなるサンプリングの積み重ねが必要だと思います。

 

この特異な琥珀はフレームへのセットを前提とするより、むしろコレクションアイテムとしてカット研磨しました。
近年のドミニカンブルーアンバーの原石価格($100/g〜)には及ばないものの、発見される個体数も少なく、琥珀コレクターの間では人気が高く、畢竟、原石のグラム単価は他の熱帯系琥珀の比ではありません。致し方ないことです。ご理解ください。
ドミニカンやレア琥珀に限らず、近年のナチュラル志向の高まりから、琥珀の価格は年々上昇傾向にあるようです。

 

商品No.:TW150924
商品名:Gem Micronesia Sea Blue Amber 11.60cts.
原産地:ミクロネシア 北マリアナ諸島自治連邦区(漂着)
加工国:日本
処 理:なし(100%ナチュラル)
サイズ: 長さ22.11 x 幅15.82 x厚み12.48mm
重さ;11.60ct.
cabbing : Aquilax Obata
超精密鏡面研磨仕上げ Newest ver.7
この商品は完売しました。ありがとうございました。
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 - ミクロネシアの琥珀