Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

ローンマウンテン ナチュラル・ターコイズ 8.20カラット ソリッド!

      2016/06/26

一昨日の「ネヴァダ州・ナチュラル・ブラックヒルズ・ターコイズ 21.00ct.」もそうでしたが、今日リリースのローンマウンテンも長年保管してきたオールドストック。
ブラックヒルズはネヴァダでカットされたもの(黒い丘Black Hills)を、こちらでリカット・リポリッシュしてますが、今日のローンmtn.の場合、5年前、同じNEVADAのディーラーさんに頼みに頼み込み、完全ナチュラルの原石を放出していただき、原石からのカット研磨が叶ったわけです。

ローンマウンテンの原石について

ここでローンマウンテンの原石についてちょっと触れます。
次の写真は現在手元にあるナチュラル・ローンマウンテンSサイズの原石。今日リリースの8.20カラットはこれらの原石が素材ではありませんが、近日中にこの小さなローンマウンテンに取り掛かります。天然のローンマウンテン原石は希少かつ非常に貴重です。これら小さなタイプの場合、細長い棒の先端に原石をドップワックスで固定するドップ付けという方法でカット研磨することになります。

(These were purchased from Mr.Bob Brucia in Nevada 2011 "Non-Treatment Natural Loan Mountain Turquoise"
These are different from the rough release today.
Which was cut from these raw, at a later date, it is scheduled for release.)


ターコイズは多孔質の鉱物です。さらに硬度の異なった成分がひとつの石のなかに混在し、その境界部分が脆く割れの原因にもなる。鉱山や原石のグレードによって違いがありますが、時には石留め時の取り扱い次第で割れるなど、ターコイズゆえの脆さが災いすることもある。そこでバッキングというわけです。
本来バッキング処理というのは原石をカット研磨する際のリスクヘッジが目的です。バッキングレスでのカット、特にスラッシュカット時には不確定要素も多く注意を要する。下手をすると原石は粉々になってしまうことさえある。
しかし私流にはなるべくバッキングはしたくない。石自体が硬く緻密で破損の心配がない場合に限り、リスクは自分で負えば良い、と考えてます。バッキングは原石の時点で行うというのが王道です。しかしカット後、バッキング材の重さも石の重さに含まれることになる。ウーン・・・。

バッキングするかしないか、この問題には賛否両論があって当然でしょう。枠にセットする場合、彫金家の方たちの立場からすると、やはりバッキングがあった方が作業の質や効率が良く、安心感にも繋がる。そこでバッキング・レスの石についてはお求め頂いたお客様や彫金家の方のご要望で、後日、バッキング処理に対応してます。バッキングの厚みは何ミリで、といったことも可能です。この作業にはバッキング材の乾燥時間、仕上げカットと再研磨が必要です。通常は3- 5日前後。オプション料金は石の価格の10%です。

原石の写真について

さて、先ほどの原石写真についてです。ひとつひとつは数グラムと小さな石ですが、この写真にリンクしている拡大写真はかなりデカイ(2400×1600)-----先日の4K画像ほどではありませんが----。

私のブログに来ていただける方の中には、カット研磨後の画像より、むしろ原石の画像にご興味を持っておられる方も多いようです。(アクセスログに記録された拡大写真のクリック数から判断してのことです)。

「原石」ということでしたら、例えばこんな話はいかがでしょうか?
琥珀にしてもターコイズにしても、完成品より原石の方がはるかに出処の特徴を物語っている、ということがあります。それは色、形、重さ、指先の感触といった外側の情報ではなく、むしろカットしている時の外皮や土の臭い、舌先にピリッと感じる削りカスの味、作業中、爪先や指先の指紋の襞に入り込んだ微細な石の粉、作業が進むにつれて微妙に変化していく研磨面と研磨ホイールとの接触音、石の外側と内部との硬さの違いなど、石が発する様々な情報がそれぞれの産地や歴史について語りかけてくる。

寡黙な石もあれば饒舌な石もある。それらを知識や単に情報としてではなく、リアルな実感として捉え、原石が持つ素性に迫り、それぞれの個性からそれぞれの物語として体に記憶させていくことが大切だと考えています。

ドミニカのブルーアンバー・ディーラー、ヘルマン・デトリッチ氏の場合、鉱山から出てきたばかりの泥まみれの原石を舌で判断してました。それが発光性のものかそうでないかが、ほぼ瞬時に判断できる、と語ってました。判断しながら即座に現場で値を決めていく。私が同行していた頃はそんな感じでした。

原石が持っている情報というのは非常に大切です。臭いや味はお伝えできないまでも、せめて原石のディティールだけでもお伝えしたい、その情報と照らし合わせて完成品を判断していただければ・・・、そう願うわけです。そのような意味もあり、特に原石の写真はデカイサイズをアップするようにしています。

それではリリースの8.20カラットです。

天然石の深い美

ローンマウテンはビスビーやカリコレイク同様、かなり硬い石です。簡単に言ってしまえば「硬い=緻密」ということになります。緻密さゆえの透明感がこの石の第一の魅力です。現物の色味の深さ、これは天然であるがゆえの第二の魅力。
この微妙にグリーンを帯びたスカイブルー、周囲の光によってはリッチなブルーにも見えるのですが、ローンマウテン鉱山から出るターコイズの多彩な美しさを堪能することができました。やはり純粋な天然ターコイズにはスタビなど人工処理石にない深みあるい美がある。と、私は感じてます。
最後の写真にある背面と側面底部の窪みは割れではなく石本来の窪みです。これはアフター・バッキングすることによって完全に覆うことができます。

商品No.:TW160128
商品名:ローンマウンテン ナチュラル・ターコイズ 8.20カラット
原産地:ネヴァダ州USA
加工国:日本
処 理:なし(100%ナチュラル)ソリッド
サイズ: 長さ15.56 x 幅 10.40 x 厚み 6.62mm 背面フラット
カラット数:8.20ct.
カット研磨 : Aquilax.O
ミラーポリッシュ
Very hard and clarity
Clear SkyBlue to Blue-Geen. with Burnt Red-Brown Matrix.
この商品は完売しました。ありがとうございました。

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