Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

ドミニカ・ブカラ鉱山産虫入りレッド/グリーンアンバー12.60ct.

      2016/06/14

月20日リリースの「FOSSIL OF MANY MANY INSECTS. DOMINICAN GREEN AMBER. 148.60ct.」に続いて、今日はドミニカン・アンバーの最高峰、ブカラ鉱山産レッドアンバーのご紹介です。
ブカラ鉱山は10年以上前にメインの鉱脈が尽き、その後はほとんど閉山状態です。
ドミニカ共和国東北部山岳地帯にあったブカラ鉱山からは様々なタイプのドミニカンアンバーが採掘されました。数量的に最も多かったのがハニーアンバー、蜂蜜色の琥珀です。ブカラハニーは緻密で強度が高く、透明度に恵まれた良質なアンバーでした。それらに混じって採掘されたのがブルー、グリーン、パープル、マルチカラーなどの蛍光色を発するアンバーです。一般的には「ドミニカン・ブルーアンバー」として知られてきたタイプです。
ドミニカン・ブルーアンバーはハニーアンバーの原石100個に対して1個あるかないか。中でも美しい発光色と強い発光力を兼ね備えたものとなると年間数個、掘り当てた鉱夫は鉱山から下山してメレンゲのリズムの中で酒と女に囲まれ、とびきり豪奢な週末を送ることができたそうです。彼らは一場の夢を求めて、また暗く深い坑道へと降りていく。
ブカラの超一級ブルーアンバーはコレクターやマニア垂涎の貴重なアンバーでした。「.......でした」それは過去形で語るらなくてはならない遠く過ぎ去った頃の話です。なぜならここ数年、あの頃のように思わず叫びたくなるような原石が掘り出されたという話が途絶えてしまったからです。

過去に発見された超一級原石、それらの中でもさらなる極超一級品といえるいくつかを、ぼくはこれまでリリースしてきました。ドミニカン・アンバーの極超一級品、じつは日本のある方のコレクションとなっています。つまり世界一のブルーアンバー・コレクションがこの日本にあるわけです。
話はまだ続きます。
ハニー、ブルー、グリーン、パープルなどを凌ぐ稀少なブカラ、それが化石入りです。
ハニーに化石入りというのはまあ、あります。どこにでも、というわけではありませんが、とにかく探せば出てきます。
しかし鮮やかな「レッド」に「虫入り」、となるとこれは一気にミュージアム・グレード、「ベリーレア!」背筋を伸ばして叫びたくなる代物です。
しつこいようですが、話はまだまだ続きます。
「レッド」+「虫入り」+「蛍光発光」となると........、いやちょっと訂正します。
「虫入り」ではなく「複数の虫入り」と。
「複数の虫入り」が何だ!
たしかに、たしかに。「複数の虫入り」が何だ!というのはごもっともです。なぜって、2月20日に「大勢の虫たちがひしめきあった」というのがあったわけですから。
あの虫の集団化石はサンチェス鉱山産でした。サンチェスから出るアンバーは約2500万年前~5000万年前。年代特定は専門家であれば鉱脈の地層からかなり正確な精度で特定できます。
サンチェスといえば7年前、鉱山まで足を運んでいますのでその時の写真をちょっと。



1枚目のグリーンのキャップを被ったおじさん、映画にでも出てきそうな感じです(でもないか)。
2枚目と3枚目の白っぽいシャツ姿のお兄さん(でもないか)がぼくです。
足下のアルミ鍋の中身がこの日の収穫。5人の鉱夫達が朝の5時から夕方の5時までかけて掘り出したアンバー原石です。
この時「ブルーアンバー」は10gほどの小さなものが3個、あとはすべて普通のコニャック系アンバーでした。
3枚目の2枚目がヘルマン氏の長男。サンチェス鉱山からは当時、2500万年前~5000万年前の良質な原石が出ていたいわば黄金期でした。

一方、ブカラの一級品は5000万年から1億2000万年前。樹液を滴らせる樹木の種自体が異なっています。ブカラレッドは特に古い時代の産物です。
今日のブカラレッドは何年も仕事部屋の整理棚で「ブカラの赤」と分類されて眠っていたものです。
それがなぜか気になり、一部分を研磨、ルーペで覗き込んでびっくり。中に虫が居る!!
仕上げてみると、さらなる驚きが。(以下の各写真はすべて背面と斜め横からの透過光で撮影しました。)

決して強力とは言えませんが、それでもグリーンとも深い青ともつかない確かな蛍光発光(一番最初の写真をご覧下さい)、内部には蟻の一種が6匹(彼らはほぼ同じ仲間だと思います)、羽アリのような1匹、さらに(ここが重要です)トンボにも似た細長い胴体と尻尾、胴体からはその両側に飛翔しているかのように伸び伸びとした羽を広げた1匹.........。
アンバーの中をトンボに似た虫が飛んでいる、としか表現のしようがないのです。

(上の写真の先端部に注目、飛翔する虫が鮮明に認められます。)

蟻たちはしゃがんだり、歩いたり、いつものように時間が流れていた、そこに突然事変が襲ってきた、ということでしょう。
しかし羽を広げて飛翔(しているようにしか見えない)するトンボらしきものの身の上となると........。やはり説明がつきません。
確かなことは、突然の変異に晒され、樹液に包み込まれ、化石化し、数千万年が過ぎた。よもや化石が入って居るとも知れず、持ち主は何年もの間、棚の奥に置き去りにしていた。ということです。

実体顕微鏡(これが高価でなかなか買えません)で子細に観察すれば、あの虫の集団の蟻と、ブカラレッドの蟻はきっと本質的な差違があることと思います。なにしろ両者の間には数千万年という地球の歴史が挟まっているわけですから。
地球規模の大ロマンです。

この「ドミニカ・ブカラ鉱山産虫入りレッド/グリーンアンバー12.60ct.」ご興味のある方いらっしゃいましたら、ご連絡をください。
カラット単価などは別途ご案内させていただきます。
よろしくお願いいたします。
ドミニカ・ブカラ鉱山産虫入りレッド/グリーンアンバー12.60ct.は完売しました。
ありがとうございました。


 

ごく最近の事ですがドミニカで矢継ぎ早に3点、「さそり」が入ったアンバーが発見されました。価格は問い合わせてませんが1点7,000ドルは下らないだろうと思います。ご興味のある方がいらっしゃるようでしたら、オファーをかけます。

 - ドミニカ La Bucara