Twilight

白日の喧噪が薄らぎ万物がその形姿を背景に溶け込ませる日没時、 今日を振り返り、明日に思いを馳せる。
窓に明かりが灯り、会話が始まる。
明日も良い一日でありますように.......。
Stone cutter (鉱物研磨職人) Aquilax O

ジェム・ビスビー14.00ct.

      2016/06/18

ビスビー ターコイズ bisbee Turquoise プレミアムターコイズ 2+1beadsweb
GEM GRADE
PURE NATURAL BISBEE TURQUOISE [SHADE BISBEE-BLUE] 14.00ct.

界の人口はすでに70億人を超えています。中国一国だけでも14億。14億というのは産業革命で沸いた19世紀末の世界の人口に匹敵します。
産業革命による生産性の向上は当時の世界を支え、発展させる上で過不足のない規模だった。明治維新以後の日本もまた産業革命の恩恵によって成立し得た、と言えます。
明治初期、日本の人口は約3500万。侵略戦争、女工哀史など負の歴史を抱えながらも、刀とちょんまげの極東の島国は、欧米諸国と肩を並べうる列強富国へのチケットを手にすることができたわけです。つまり明治維新以後の富国強兵の御旗とともに自国の利益獲得に邁進した「グローバリゼーション」だった。

わずか100年あまりの間に世界人口は5倍、我が国は約4倍。しかし人口が激増してもなお、各国のコントロールシステムは多分に19世紀的だと、僕は感じています。
前時代的システムの肥大化、巧みな情報管理による中央集権化。統治から管理への強化。大規模な事変に遭遇し、人々が正確な情報、政策を知りたいと願っても、政策は迷走し、情報は隠蔽され、遮断操作されてしまう。
3.11以降、私たちは戦時中と大して変わることのない「情報社会」の中に放り出され、放置されてきたのではないかと思えてならないわけです。これは高度情報化社会、換言するとリアル社会にそぐわない。これまでのシステムの限界が見えてきた、ということです。

目を転じてEU社会を見ると、システムの限界はより鮮明に見えてきます。
EUは依然として「欧州統合」という理念を掲げてはいますが、現実には「ユーロ離脱」「移民排斥」を掲げる右翼政党への支持率が各国で急伸。人々はなりふりかまわぬ本音を口にしはじめました。
今年行われるフランス大統領選でもサルコジ、オランドを押さえて首位につけているマリーヌ・ルペン。彼の公約もまた「移民排斥」と「ユーロ離脱」です。露骨なまでのEU理念の否定であるとともに「自由・平等・博愛」というフランス革命理念の否定でもあるわけです。「もう、きれいごとなど言っていられない」、人権の本家本元であるフランスでさえ、これまでのシステムのありかたに見切りを付けざるを得ない、ぎりぎりまで追い詰められているということではないでしょうか。
威勢の良い打ち上げ花火でスタートを切った「グローバリゼーション」でしたが、すでに巨大化した世界を幸せな進路へと引率していくことの困難さを露呈させてしまった。
世界の「強者」「警察」「特別な国」でありつづけたアメリカの衰退ということも含め、世界の国々が「システムを切り替える必要性」に迫られている、そのような「趨勢化」こそが実は「グローバリゼーション」、ということだったのではないか、と、ぼくは分析しています。
このようなことを語らなくてはならない意味.........。それは3.11以後のこの国もまた「グローバリゼーション」による破綻から立ち上がり、補正しなくてはならない局面に立ち至っているという事実に揺るぎがないからです。

「グローバリゼーション」への補正、ポスト・グローバリゼーションとは何か。それは「ローカライゼーション」ということではないかと考えるわけです。日常的会話で言い換えると「お互いが見える共同体」、あるいは「ダウンサイジング」の必要性ということです。
EUもアメリカも、中国もロシアも、そしてこの日本も「グローバリゼーション」では機能することが困難になってきている。いや機能していない。サイズがあまりに大きすぎるからです。このことは3.11以後の復興策を検証することによっても、たちどころに了解していただけることではないかと思います。
幼児、高齢者、病人、障害者そして被災者の対人口比率が高まった集団を維持するためには集団内の弱者を支援し、扶助し、教育することは当然ながらすべての成員の義務であるという確固たる「倫理」がもう一度見直されなくてはならない。見直すだけではなく「倫理=新たなシステム」が身体化するような集団が不可欠なのです。

では「倫理」とは何か。「倫=仲間」と共に生きていくための「理=すじみち」ということです。
人は仲間を持つことによって、はじめて倫理観というものを獲得する。いや学習する。
仲間を持つこと、あるいは家庭を持つことと言ってもよいかも知れませんが、そこでは自由は抑制されるかも知れませんが、「自分一人ではできないこと」ができる可能性も生まれる。
仲間とのつながりによって、それまで不可能だったことが可能になることも。
何かを失い、何かを得る。
収支が合わないことも、合うこともあるでしょう。
しかし生命の進化の過程、淘汰圧ということを考えると答えは明白です。
進化の淘汰とは「仲間がいる種」だけを残してきたのですから。
僕たちは3.11以後「言葉」に対する信憑性、国家に対する信頼性に懐疑的になってしまった。
人が言葉を信じられなくなったとしたら、それは幸せの放棄、進化の衰退という結末しか招きません。

加えて「首都直下型大地震」という問題。このことについてはぼくは懐疑的です。なぜ今「首都直下型大地震の予測」なのか。3.11の予兆はアメリカの一部の学者の間で囁かれていた。しかし我が国の関係者、関係機関は聞く耳を持たなかった。国家や学会の見解に意義を唱えるシステムが成立していなかったからです。
震災前1週間の群発地震、その異常な回数に気づき、これはおかしい、小学6年生の息子でさえ、iPhoneに時事刻々と着信する地震速報に疑問と不安の念を募らせ、リックサックに非常食や懐中電灯を忍ばせていたのです。

長い独白となってしまいましたが、3.11から1年を経て思うことを書き連ねてみました。

では今日リリースのビスビーについて書き進めることにします。まずは写真を。

このビスビー、最初はどちらかと言えば「スモーキー・ビスビー」に近い青でした。
しかし周辺を磨き込んでいくうちに、表層下の青が次第に鮮明になり、さらに深い青が影のように忍び込んでいる、そんな姿がはっきりしてきた、というのが研磨工程です。
つまり周辺部の美しい青を全面に押しだし、ちょっと中途半端だったスモーキーの表層をすっかり磨き落とすことにしたわけです。
しかし撮影時の条件がちょっと悪かった。厚い雪雲に覆われ、石本来の鮮やかさを十分に撮影することが困難でした。
幸いにして一番上、枯れた草の枝を配した1枚、これは一瞬の光が雲の切れ間から差し込んだタイミングを捉えることができました。この青が光を浴びた時の色です。表面の艶やかな様子も正確だと思います。

透明感に満ちた艶やかな肌、前回のロイストンと同じ手法での磨き仕上げです。
これまでのビスビーターコイズでは決して得られることのなかった、ビスビーの美しさだと思います。

原石との一騎打ち、相手がどれだけの「可能性=美しさ」を秘めているのか。いくつもの扉を一枚また一枚と開き、たどり着けたひとつの成果です。

グレードはジェム・グレード。
「ビスビー・ブルー」プラス「シャドウ・ブルー」が一体化した類例の稀な逸品だと思います。ビスビーならではの「ラディッシュ・ブラウン」がアクセントです。

この石、予定以上に磨き込んでしまいましたので、一部が薄くなりすぎたことから、強度保証とフレームへのセット時の加工性ということを視野に入れ、バッキングをしてあります。

商品No.:TQ120312
商品名:ジェム・ビスビー 14.00ct.
サイズ:幅 15.00mm、長さ 20.50mm、厚み4.80mm(内バッキング厚 約1.2mm)
Lapidarist (Stone Cutter) : Akira Obata
カラット数:14.00カラット
この商品は完売しました。ありがとうございました。

 - ビスビー